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HOME > コーチングエッセンス > コーチングエッセンス 2010,06,24号

コーチング・エッセンスVol.36

プライマリ・ケアにおけるポイント 【 その5 】

★★ コーチングによるプライマリ・ケアの事例 ★★

       事例:不定愁訴の患者

 

72歳の女性、2年前に悪性腫瘍の手術と放射線治療を受けました。昨年うつ病になり、精神科で

抗うつ薬(SSRI)の内服を開始されました。半年前、新たに別の部位に腫瘍が見つかって手術をしました。

腫瘍は良性であったが,その後から食欲不振が出現し、食事が苦痛と感じるようになりました。

手術を受けた病院で十分な再検査を受けたが異常は見つからず、プロトンポンプインヒビターの内服治療を受けました。

しかし、どこか悪いところがあるのではという心配も加わり、さらに食欲が低下しています。

■【現状把握】現状を患者に具体的に語らせ、それを先入観なしに傾聴する。

★医師(D)「Pさん,今日はどうされたのですか?」
☆患者(P)「目が見えにくくなって、メガネをかけても見えにくくなりました。何か悪い前兆ではと思うとパニックになります。

左目のもやもやしたものも気になり、眼科で診てもらいましたが、異常ないといわれました。

そこで遠近両用メガネを勧められました」
★D「そうですね,遠近両用メガネがいいかもしれませんね」
☆P「脈が飛んだり、速くなるので循環器内科にかかりました。今日は24時間心電図の結果を聞きに受診しましたが、

心配ない程度なので気にしないことといわれました」
★D「心配するような不整脈ではないということですね。ほかにはありますか?」
☆P「昨日は膀胱炎になり、泌尿器科にかかり抗菌薬を飲んでいます。これも自律神経の異常だと思います」
★D「膀胱炎もですか。心配なことが3つもありたいへんですね。自律神経の異常とはいいきれませんが」
☆P「昨日はのどの異物感もあり耳鼻科にもかかって、カメラを飲んだけれど
異常ないといわれました。夕食をとったら症状がなくなりました」
★D「症状がとれてよかったですね」
☆P「昨日は眠剤を飲みましたが、夜中に目覚めてしまいました。そのとき寝汗をかいていましたが、

不安を抑える薬を飲んで寝汗が引きました。自律神経の異常だと思います」
★D「そうですね。Pさんはいろいろ症状がおありですが、どういう状況になると、ご自身で満足できますか?」

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■基本ステップ【1】【目標を決める】
コーチングでは、自分で具体的な目標を決めてもらいます。

☆P「自律神経の異常が取れたら,すべて解消されるかもしれません」
★D「自律神経の異常の原因で何か思いつくことはありますか?」

■基本ステップ【2】【障害を知る】
患者は自分で何が問題なのかはわかっています。

☆P「基礎体力がないから薬が効かないと思います。目の症状も膀胱炎も栄養失調からきていると思います。

血液検査では栄養失調ではないといわれたけれど、体力は落ちています。体力がついたら食欲が出て、水分も多くとれる。

そうしたら膀胱炎にもならずにすむと思います」
★D「なるほど。では体力をつけるにはどうしたらいいでしょうか? 思いつくことを3つあげてみてください。

する・しないにかかわらずあげてみてください」

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■基本ステップ【3】【戦略を練る】
方法を1つではなく複数考えてもらうと戦略の幅が広がります。答えがなかなか出てこないときには、

「する・しないにかかわらずあげてみてください」と促すことで、多く引き出すことができます。

☆P「運動する。でも基礎体力がないので無理です」
★D「ほかに方法はありませんか?」
☆P「よく寝ること。でも眠剤を飲んでもすぐ起きてしまうし」
★D「では、そのほかに方法はありませんか?」
☆P「食べること。以前は焼酎、うどん、焼き魚が好物でしたが、今は何も食べたいものはありません。

お茶も飲めない、カフェオレならなんとか無理して飲めます。知人が栄養補助剤を勧めてくれています。

前飲んだのはおいしくなくて飲めませんでしたが」
★D「栄養補助剤、いいアイデアですね。味には好みがあると思います。当院にもそれに近いものがあります。

もしよろしければコーヒー味で試しに3日分処方してみましょうか?」

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■基本ステップ【4】【サポートをする】
専門家からの情報提供で提案をすることで、早く成果を得ることができます。
または、患者がしてほしいことをリクエストさせます。

☆P「はい。飲んでみたいと思います.コーヒー味なら飲めると思います」
★D「では、Pさん、いつから始めますか?」

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■基本ステップ【5】【行動を促す】
自分で言葉にして口に出すことで、決意を促します。

☆P「今日、調剤薬局でもらえたら、今晩からすぐに始めます」
★D「いいですね。まず,栄養補助剤で基礎体力をつけて、膀胱炎や目の症状、そして自律神経の症状がなくなるといいですね」
☆P「はい。そうなりたいです」

◆◇◆ おわりに ◆◇◆
コーチングの技術は短時間で患者自身に、不定愁訴を改善させる有効な解決法を気づかせることができるます。

これらは、単なる傾聴では見えてこなかった意外な解決法が見いだされる場合があり、

プライマリケア医にとって有用な技術であるといえます。

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